《米国の君臨を許す限り、日本は一人前の国に立ち直れない。》

サンフランシスコ講和條約の締結により、曲がりなりにも独立国になった日本は、大東亜戦争 前の日本とは別の国に改造されてしまっていた。日本独立の二箇月程前に「竹島」を強奪した韓国は最後まで日本の独立に反対していた。武力を持たされていなかったとは言え、私に言わせれば、日本人の怒りは殊のほか弱かった。そんな事は無いとの意見もあろうが、血気にはやって再軍備を叫び「竹島を取り返せ!」とのデモなどがあったとは聞かない。在日韓国朝鮮人を除く日本国民全員が怒りはしたが、その程度の怒りでしか無かった。

独立から64年間、日本は一度たりとも本気で韓国から「竹島」を取り返そうとはしなかった。チャンスが全く無かった訳ではない。侵略・強奪された直後、どれだけ決死の覚悟で米国と外交交渉をしたか? どれほど必死に交渉したとしても米国が日本に代わって取り返してくれたかどうかは甚だ疑問だが、強奪直後に米国に泣きつく他、当時の日本には方法は無かった。併し、日本が執拗に米国に泣きついたとの記録すら残っていない。

最大のチャンスは「日韓国交正常化交渉」の時であった。揺るぎ無い覚悟で臨めば、拉致漁民を人質に利用されるのでは無く、「漁民と竹島を返さなければ経済支援は一切しない」と言い切る姿勢を貫けば良かったのである。「拉致漁民と竹島」は日本の覚悟ひとつで韓国側の弱みにもなった筈だが、一方的に日本の弱味として〈脅迫者〉韓国に利用されてしまっていた。

日本人も韓国人も「韓国併合」の時代を体験していた者が交渉に当たって居た筈である。併合を「植民地支配」と言い換えられ、「謝罪せよ」との言い掛かりに、逆に「植民地になどしていない」「文句を言う代わりに日本に感謝せよ」と言い返す事もできた筈であるが、その時の日本人は大東亜戦争前の日本人では無かった。GHQに日本人としての誇りを蹂躙され、正邪逆転の洗脳工作を約7年弱も施され、戦う姿勢すら日本人は放棄していた。唯々強硬な韓国を相手にピリピリと怖気付く日本人に成り下がっていたのだ。

如何に米国の圧力が激しかったとはいえ、「竹島を侵略され」、「漁民を殺され」、「拉致され」たまま「国交正常化」まで譲歩する必要は無かっただろう。漁民と竹島返還が「国交正常化」の最低条件とするべきであった。米国に如何に強引に説得されようとも「竹島と漁民を返さぬ限り、日本は交渉に応じない」と頑なな姿勢を貫けば良かったのである。日本側の確固たる決意があれば、その当たり前の主張が通らなかったとは思えない。

併し、現実には「日本は竹島を奪われたまま謝罪し、巨額な賠償金を支払った」。然も戦争に敗けて独立して間もない赤貧の中から5億ドルものカネを搾り取られ、3億ドルもの借款を提案したのである。韓国に残してきた日本の公的・私的財産53億ドル相当は放棄させられた。何で韓国に賠償金を支払う必要があろう。同じ枢軸国側でドイツに併合されていたオーストリアはドイツと共に戦勝国に責任を取らされた。韓国も日本に併合されていたから当然 連合国と戦った。(捕虜の管理程度であったが。)呆れた事に国家としての日本の謝罪は現在もまだ続いている。

安倍政権は「竹島はもう取り返せないとの結論に至った」と二年程前の閣議で合意に達した。それが大きなニュースになる事も無く現在に至っている。奪還を諦めていながら外務省のHPには「竹島は日本固有の領土」と白々しく表示してある。今の日本政府には「竹島」を奪還する気など毛頭無い。

そもそも「日本固有の領土」は他にもある。「北方領土・竹島・尖閣諸島」を「日本固有の領土」と言いながら、NHKは国民に「日本固有の領土」の気象予報すら報道ようとしない。何故か? 気象庁が日本の領土と認識していないか、気象予報をする事で相手国が怒りだすのが怖いからである。技術的な問題では無い。気象庁ご自慢の「ひまわり8号」は「北方領土・竹島・尖閣諸島」をカバーして余りある。問題は日本人の「精神的な問題」である。

日本の自衛隊は他国と事を構える兵器システム・組織構造になっていないし、日本政府は余りにも臆病である。全ては「東京裁判史観」の呪縛から逃れられない日本人の資質・選択の為せる技である。そもそもおかしいと思わないか? 領土を侵略・略奪されたまま何回も経済的支援を繰り返すなど正気の沙汰ではあるまい。ジャパン・ディスカウント工作を国策としている敵対国に13年半もの長きに亘り通貨スワップで保護していたとは日本政府の精神構造を疑う。

日本政府は、敗戦後に朝鮮半島で為された日本人引揚者に対する朝鮮人による「大量虐殺」「集団強姦」、そしてGHQの占領統治中に為された在日朝鮮人による「土地家屋への不当な居座り」「朝鮮進駐軍」に代表される乱暴狼藉、殺人、略奪、強姦などに対する裁きを一切していない。韓国・北朝鮮に対しては、この件で正当な抗議すらしていない。日本政府は「加害国」に謝罪し続け、日本国内では「加害者」に殊更 配慮し、日本国民より優遇している。今では当時の史実を白日の下に晒す事はタブー視すらされている。計画的に日本の中枢に入り込んだ在日韓国朝鮮人や韓国朝鮮系帰化人による情報統制が敷かれている現実を、多くの日本国民は知らない。歴代自民党政権がそれを良しとしているからである。

米国に改造されてしまった日本の社会システム・防衛システムと精神構造は、あと何世代、時を費やせば、正常化され、一人前の独立国家に立ち直る事ができるのか? 道が遠すぎてその時期すら読めない。併し、我々日本人はまだまだ連綿と続く命のリレーの道半ばである。大切な子孫の為に日本を「米国」や「中共」「韓国」、その裏に潜む「国際金融資本家」の喰い物にされる訳にはいかない。奴隷の平和に馴らされた日本人は、戦いで勝ち取る自由の尊さに思い至る事ができるのだろうか?