《 漢民族によるウイグル人への許されざる迫害・弾圧と殺戮、明日は我が身と分からぬ平和呆け日本 》

ウイグルについて論じる時、注意すべきは、情報源とその正確性である。正直なところ日本に居ては、真実は何も分からない。以下の文章は、インターネットを通じて、主にラディア・カーディル氏やトゥール・ムハメット氏が発信する、謂わば被害者側の意見のみを根拠としている。中共と日本メディアが真面に報じないのだから仕方がない。私は両氏の見解と主張を信じる。

ウイグル問題は非常に複雑であるから以下に簡単に説明する。20世紀初頭は中華民国が支配していた「新疆省、東トルキスタン地方」と呼ばれていた。1920年代に、第一次世界大戦後のロシア内戦とシベリア出兵の結果、大量のロシア人が中央アジアに流入し、その一部は支那領内に在住してテュルク人社会を形成した。

その後も数々の内戦を経て、1933年11月12日にムハンマド・アミーン・ブグラらが、新疆省政府に対して、ウイグル人が主体となって現地のイスラム教徒の独立運動を糾合し、タリム盆地西南部のカシュガルに建設された政権が、東トルキスタン・イスラーム共和国を名乗った。

東トルキスタン共和国には、第1次東トルキスタン共和国(1933年~1934年)と、東トルキスタン北部のイリ・タルバガタイ・アルタイの3区を拠点とした第2次東トルキスタン共和国(1944年~1949年)があり、歴史上2度に亘り、それぞれ別々の地域を拠点として樹立され、何れも一定の期間、東トルキスタンの一部に於いて『実効的な独立国家を実現』していた。中華人民共和国が建国される以前の話である。

第2次東トルキスタン共和国は中国国民党政府との新疆省連合政府を経て、1949年、「中華人民共和国に侵略され消滅」したが、それ以降、主に国外を中心に東トルキスタンの独立を主張するウイグル人たちが活動している。現在はアメリカ合衆国ワシントンD.C.に「東トルキスタン共和国亡命政府の本部」が置かれており、中共を侵略者であるとして非難し続けている。東トルキスタンの帰属を決定づける文献は非常に少ない。

現在の「ウイグル人の主張」と「漢民族の行動」を見れば、侵略者の圧政の構図は明らかであり、「人種・言語・宗教・文化」の面でも、中共とは異質な国である事は余りにも明白である。何よりも『自国民と言うなら、何故かくも簡単に大量殺戮を続けられるのか』。本気でジェノサイドを実行しておきながら、内政問題などとなぜ居直れるのか。

恐らく僅かな兵力しか持たなかった東トルキスタン共和国は、国共内戦を戦い抜いた人民解放軍の前に瞬く間に制圧されただろう。現在に至るも、漢民族は国際社会の目が届かない事をいい事に、無抵抗な人々を様々なかたちで迫害・弾圧し、殺戮し続けている。東トルキスタン共和国は国名を奪われ「新疆ウイグル自治区」と呼ばれるようになり、最近では「新疆」と省略する漢人が多いと聞く。

日本人は被爆国は世界で日本だけだと思っているが、侵略されたシルクロードの国、東トルキスタン共和国では48〜50回の核実験が『住民の意向を無視』して行われた。ヒロシマ型の原爆の数百倍の威力を持つ水爆実験で推計120万人が被曝死したという。被爆国日本の比ではない。日本が被爆国であると国際社会に主張するのなら、〈我が日本国より凄惨な被爆国、東トルキスタン共和国の存在も合わせて知らしめるべきだ〉。今でも多勢のウイグル人が被曝症で苦しんでいるが、中共政府は医療さえ施さず放置しているという。

ウイグル人の男性の就職率は僅か5%で、殆んどの若者は結婚も出来ない。結婚できたとしても同族結婚は禁じられ、妊娠した女性は子供の父親がウイグル人の場合、強制的に堕胎させられる。美しいウイグルの女性は強制的に連れ去られ、漢人の子を産まされる。これが真実なら、正に人間として許されざる「民族浄化政策」が行なわれている事になる。国際社会はこんな事を許してはいけない。

ナチスドイツは敗戦により民族浄化の完遂に失敗したが、中共政府の蛮行を阻む力のある大国は沈黙し続け、ウイグル人組織は微力過ぎる。この現実は厳しい中共政府の報道管制の下、国内でさえ報道されず、外国メディアは完全に締め出されている。稀に中共側が編集し厳選した「暴徒の鎮圧映像」をNHKなどが中共側の説明に沿って放映するが、丸腰と武装警察が相手では勝負にならないのは自明の事だ。映像をチェックしたNHKは、中共側にも犠牲者が出たというが、信じられない。

古くからこの地にはイスラム教が根づいていたが、イスラム教への信仰はかたく禁じられているという。多くのモスクは破壊され、僅かに残ったモスクに集う事も人々には許されていない。武装警察はモスクに向かう若者の一群に無差別射撃する事もあったという。一夜にして一万人の若者が姿を消したという証言もある。中共政府はウイグル人から強引に信仰を奪っている。

学校ではウイグル語の教育は禁じられ、子供達には支那語が教えられる。支那語ではウイグル人の歴史は教えられず、偉大なる中華帝国の歴史が教えられる。東トルキスタン共和国の文化は消滅の危機に瀕している。遠からず、民族の血は根絶やしにされ、歴史、文化も書き換えられてしまうだろう。

「東トルキスタン共和国亡命政府本部」は、1949年に存在していた東トルキスタン共和国との直接の連続性を標榜し「独立」を目指し活動している。残念ながら日本のマスメディアは、中共政府に都合が悪い事は一切報道しない。現実を漏れ聞く世界の国々も見て見ぬ振りをしている。心ある日本人はせめて声ぐらいあげなければならないと思う。

したり顔で、日本人に「人権」を説く、国連も、米国も、西欧諸国も、ウイグル、チベット、内モンゴルなどへの「人権侵害」には見て見ぬふりを貫いている。彼らには「人権」より「中共経済」の方が魅力的なのだ。誇り高さを自認している英国も、2兆5千億ドルの札ビラを切られてエリザベス女王を差し出した。米国も国債買い入れと巨大市場を前に何も言えない。67年前、中共に侵略された民族の悲劇からの脱出の望みは、限りなく薄い。

日本人は、今の欧米諸国のウイグルへの対応を、確と目に焼き付けておくべきだ。日本人は「米国が、中共と日本の諍い(いさかい)に日本と共に戦ってくれる」などという幻想は捨てるべきだ。内向き志向のトランプ氏が次期米国大統領に選出された今こそ、日本が自国防衛政策の舵を切り換える絶好機である。自分の国は自分が護るという当たり前の体制を作らないと、日本国そのものの存続が危ぶまれる。今の日本人の多くが、この危機感を共有しているとは、とても思えない。

国際社会で友好国、同盟国を増やす事は良い事である。どんどん外交努力をすれば良い。併し、現在の様に自国防衛を米国に丸投げしている状況には警鐘を鳴らさざるを得ない。自分の国は自分で護るべきだ。その上で、助けてくれる同盟国を増やしておけば万全だ。但し、日本国の主人(あるじ)は飽くまでも日本人である事を忘れてはならない。自主防衛を危険な右翼思想などと馬鹿な事を言う識者の神経を疑う。10年、20年先を考えると暗澹たる気分になる。自国を自分たちで護れない国は確実に国を喪なう。