《 真珠湾攻撃を「騙し討ち」などと言う資格は米国には無い。日本は戦争などしたくは無かった。日本国民は隠しだてされていない真実の歴史を教えられるべきだ 》

安倍首相の真珠湾訪問を〈オバマ米大統領が広島訪問をした事への返礼〉かの如く報じる日本の一部のマスメディアと一部の識者と言われる人は不見識である。安倍首相自身が「オバマ大統領の広島訪問とのバーターではない」と明確に発言しているのに、そういったマスメディアはなぜ〈真珠湾と原爆投下を相対化〉するような馬鹿な論説を展開するのだろうか? このような愚かな報道に接すると甚だしい違和感を覚える。

〈真珠湾攻撃〉と人類初の〈原子爆弾の実戦使用〉は意味も重さも全く違う。真珠湾攻撃は国際法上どの国にも認められていた戦力の行使=戦争である。米国は真珠湾攻撃を Sneak Attack(騙し討ち)だとして正義は米国にあるかのように当時も戦後もしきりにプロパガンダを徹底して行なっているが、国際法の何処にも「宣戦布告は事前にしなければならない」などという規定はない。世界の戦争慣例では、実際に戦争を始めてから自国民に対して発表するのが 「宣戦布告」の手続きである。

米国自身も先住民族であるアメリカインディアンに宣戦布告などせずに何の後ろめたさも感じずにほぼ殲滅させたし、スペインからの独立を切望するフィリピンを植民地化した時も、フィリピン人を騙してスペインと戦わせ、その後、フィリピン人を20万人も無差別殺戮した挙句にパリ条約で2000万ドルを支払い勝手にフィリピンを購入してしまったではないか。ハワイ王国を侵略した時も〈事前の宣戦布告〉などしていない。米国自身は〈事前の宣戦布告〉など一度もした事はないのだ。

〈真珠湾攻撃〉を〈騙し討ち〉などと言う資格は米国には無い。戦争をしない事を公約に掲げて大統領になったフランクリン・ルーズベルトが米国民に参戦する事を納得させる為に日本を挑発し続け「Remember Pearl Harbor」と言うスローガンを使っただけである。有色人種国家である日本の台頭を好ましく思っていなかった白人たちは、この偽りの大義にころっと騙され元々持っていた差別主義と好戦性を剥き出しにしただけである。

広島・長崎への原爆投下は米国が如何に詭弁を弄しようとも人間として決して許してはいけない行為である。兵士でも無い一般人である女性や子供、老人や病人の別を問わず、全くの無辜の民に対する〈無差別大量殺戮〉をして退けたのである。安倍首相自身の「オバマ大統領の広島訪問とのバーターではない」との認識は正しい。

テレ朝ニュースでは、米第442連隊の元通訳、ハーバード・ヤナムラさん(92歳)の発言を利用して安倍首相によるアーリントン墓地への慰霊訪問を殊更肯定的に促した。アーリントン墓地訪問に反対はしないが、日本の首相ならアーリントン墓地の前に靖國神社への参拝を済ませるべきだろう。それが順序と言うものだ。(個人的には「日韓合意」で英霊の顔に泥を塗った安倍首相に靖國神社へはいって欲しくないが…)

「どの国と戦うのかは問題ではない。戦争そのものが良くない。特に、沖縄で住民が沢山あちらこちらで死んでいるのを見て、戦争はこういうものだ、人間はケダモノと変わらないという感じが強く私に残るようになったんです。」とハーバート・ヤナムラさんは言う。「広い芝生の部分はすべてお墓です。一人ひとりの名前が刻まれ、花が手向けられています。戦争中、アメリカへの忠誠を誓う為に日系人だけで編成された部隊、亡くなった人たちはこのお墓の一角に葬られています。」テレ朝ニュースは、安倍総理がアーリントン墓地を訪問する事を、過酷な経験をした元日系アメリカ兵や戦争で亡くなった人たちを慰霊する行為として肯定的に報じた。

国の為に散華された英霊と総ての外国人の戦争犠牲者をも慰霊の対象とする靖國神社に米国大統領は一度も訪問していないのだから、日本の首相が米国のアーリントン墓地に慰霊訪問するのは外交の〈相互主義〉に反する。(2015年に安倍首相はワシントン郊外のアーリントン墓地に慰霊訪問している)。米国大統領どころか日本の内閣総理大臣や閣僚や国会議員の靖國神社参拝も毎年大騒ぎで問題視するマスメディアはどう考えても可笑しい。

日本のマスメディアは特亜のプロパガンダを代弁するかのように靖國神社参拝を大騒ぎで反対するが、米国のアーリントン墓地への首相の慰霊訪問には賛成する。可笑しいとは思わないか? アーリントン墓地はともかく、マスメディアは日本の首相が真珠湾を訪問する事を報道するなら、なぜ真珠湾を訪問するのかその意義や経緯を国民に解りやすく解説するべきではないか?

この問題を機にWikipediaを調べてみたが、ネットの世界は玉石混交と言われる通り、紛い物の左寄りの解説が氾濫していた。真珠湾攻撃はABCD包囲網やハルノートが原因ではなく、7月2日の御前会議で「情勢推移に伴う帝國々策要綱」で「南方進出の態勢を強化す」「帝國は本号達成のため対英米戦を辞さず」としていた。戦争への引き金はABCD包囲網ではなかった。(検証・真珠湾の謎と真実)…といった解説も見られる。これは事実であるがこの部分のみをクローズアップして、さも日本が戦争を望んでいたかのような錯覚を誘うのはフェアではない。だいいち「…辞さず」と言うのは積極的ではなく受け身の姿勢を示している。

真珠湾攻撃の事前の動向を解説するなら米国側の動きも正確に遡って調べて皆が読めるように記述するべきだろう。

米国は日本に〈真珠湾攻撃〉をさせるずっと以前から日本を仮想敵国として戦争準備を整えていた。米軍部は仮想敵国を色で区分し、それぞれの戦争作戦を立案した。これは「カラープラン」といわれ、日本は色が〈オレンジ〉に区分された事から「オレンジ計画」と呼ばれた。その他、ドイツは黒、イギリスは赤、フランスは金というように色分けされていた。

「オレンジ計画」は、日清戦争の僅か2年後である1897年に日本を仮想敵国として対日戦略プログラムとして策定されていた。日本は正しく米国のシナリオ通りに開戦に追い詰められていった事が容易に分かる。「オレンジ計画」を最初に策定したのは、米国の第25代大統領ウィリアム・マッキンレーである。真珠湾攻撃の実に44年前から米国は日本を攻撃する計画を策定していた。第25代大統領ウイリアム・マッキンレー、第25代副大統領セオドア・ルーズベルトの二人が「オレンジ計画」を策定し、それを実行したのが第32代大統領のフランクリン・ルーズベルトである。

20世紀初頭からホワイトハウスは軍部に対し、近い将来、国際戦略で利害が対立するであろうと予想される国々との戦争シミュレーションを立案させていた。大方の予想を裏切って日露戦争で有色人種国家 日本がロシアに勝つと、白人国家 米国は日本を疎ましく思うようになった。米国は桂・ハリマン仮条約の破棄により、日本は「支那大陸に米国を割り込ませず支那大陸を独占するつもりだ」などと思い込んだのだろう。支那大陸に進出しアジアに於ける領土拡大を目論む米国には、打算と共に日本人に対して「有色人種のくせに生意気だ」という差別感情が全く無かったとは言えまい。

当時の支那の大部分はイギリス、フランス、ドイツ、ロシアが押さえていた。ところが、ロシアが押さえていた遼東半島に日露戦争によって突如、日本が割って入ってきた為、米国は差別感情に基づく嫉妬をした。有色人種である日本が自分たちより先に支那大陸に拠点を築いている事が我慢ならなかったのだ。

米国は日本を現実的仮想敵国とした。この時から従来からあった「オレンジ計画」の内容は一変し、日本を打破する具体的な戦術が盛り込まれた。米国は自国に太平洋艦隊が無い事に気づくと、〈日本に真珠湾を攻撃させる〉前に、西海岸のロングビーチに拠点を置いていた米艦隊をハワイの真珠湾に移動した。サンディエゴの艦隊修理工場も真珠湾に移動させた。

F・ルーズベルト政権は〈真珠湾攻撃の3年前に日本の隔離政策を立案〉し、〈1年半前に西海岸の艦隊をハワイの真珠湾に移動〉し、日本との対戦に備えていた。日本は「戦争をしたくない」という意思表示として、数ある米国の外交暗号のどのパターンを既に読み解いているかを知らせていた。それほど米国に対しては恭順の姿勢を示していた。御前会議の〈防衛方針〉を問題視する前に、米国の用意周到な戦争準備をこそ問題視するべきだろう。マスメディアも識者もネットに氾濫する情報の一部も、こういう史実は無視して日本を悪者にする事に熱心だ。こう言う史実を指摘すると〈ネトウヨの戦争礼賛〉と切り捨てる風潮があるのは好ましからぬ問題である。

安倍首相の真珠湾訪問を機に、日本が真珠湾攻撃に追い込まれていった歴史の概略くらいは日本人として知っておきたい。できれば昨日更新した当ブログの「日本人は本物のハルノートを見ていない」も合わせてお読みいただきたい」。日本の公教育もマスメディアも識者たちも語らない真実の近現代史の重要な一部である。