《 日本政府、文科省は「ポツダム宣言」を日本国民に正しく解説・教育し、マスメディアは真実を捻じ曲げずに報道するべきだ 》

1945年(昭和20年)2月から硫黄島で戦闘が始まり、同年4月からは沖縄決戦が行なわれた。このふたつの戦闘が、米国側の予想を遥かに超える多くの死傷者を齎した。4月12日、F・ルーズベルトが米国の現職大統領として病死し、副大統領から自動的に大統領に昇格したトルーマンは軍部の意見を参考にして対日作戦を考えた。

5月には11月を期して日本上陸作戦を敢行するという命令が米軍に出された。沖縄戦の一般住民の日本軍への献身的な協力を知ったトルーマンは、日本本土上陸作戦敢行により米軍に多数の死傷者が出るという予測を立て、そうなったら米国の世論が黙っていない、自己の政権の基盤が危うくなると考えた。自己保身である。

米国人には人気がある大統領だというが、日本人にしてみれば残忍な狂人であるルーズベルト大統領は日本を国として、政府として無条件降伏させたいと考えていたが、ルーズベルトに続く二人目の狂人トルーマン大統領は、知日派の元駐日大使グルーに対して、日本側が余り名誉を傷つけられたと思わずに受諾できるような終戦条件を考案するよう命じた。そこで有能な補佐官をつけて、グルー元大使につくらせたものが「ポツダム宣言」の原案である。

この後、米国特使がソ連のスターリン首相に会いに行き、この案を説明した。

スターリンは「ルーズベルトが言っていたように日本を国として無条件降伏させたい。併し、日本本土決戦がそれほど大変な数の犠牲者を出すなら仕方ない。併し、いったん有条件降伏(条件付降伏)という形で、日本に降伏を受諾させたら、徹底して日本の非武装化をやろう。我々の思う通りに日本を改造して、日本が国として無条件降伏をしたのと同じ結果を実現しよう」と言った。

草案では「天皇制(皇室制)の維持」を保証する文章があった。これは国務次官であったグルー(駐日大使を長く務めた知日派)が考え出した案で、天皇の地位を保証すれば日本は講和に応じる事を知っており、ドイツ降伏後の1945年(昭和20年)5月末から、何度もトルーマンにそれを進言していた。

陸軍長官のスチムソンや他の政府高官たちも同じ認識を持ち、トルーマンに働きかけていた。【併し、狂人トルーマンは草案にあった〈天皇の地位保全に関する部分をわざわざ削除〉した。日本がポツダム宣言を受諾できないようにする為である。F・ルーズベルトが原爆完成前にソ連の参戦を促してしまったので、ソ連を牽制する為に何としても原子爆弾の威力をスターリンに見せつけたかったトルーマンは『原爆投下前に日本に降伏されては困る』という身勝手な目論見があったのである。】

「ポツダム宣言」発表の凡そ2箇月後に米国は広島、長崎に原爆を投下し、ソ連は〈日ソ中立条約を一方的に破棄して日本の背後から満州・樺太・千島列島・北方四島に進攻〉した。その後、日本は「ポツダム宣言」を受諾する事になる。

ソ連(現ロシア)は「戦艦ミズーリに於ける日本の降伏文書への署名が終わる9月2日までは終戦ではない」との立場をとり、天皇陛下が敗戦の詔勅を読み上げられ日本軍が武装解除した8月15日以後も〈満州・樺太・千島列島・北方四島〉を攻める行為を未だに正当化しているが、ソ連が歯舞群島に侵略してきたのは9月3日以降である。史実を調べればロシアのプーチン大統領の「日本は敗戦の結果を受け容れていない」との立場が卑怯者国家の詭弁の上に成り立っている事が分かる。

昨年末に行なわれた「日ソ首脳会談」で、我が国の安倍首相は「お互いの正義を幾らぶつけ合っても建設的な結果は齎さない」と言われたが、この考え方には賛成しかねる。領土問題に於いて〈歴史の正義〉を語らずして何を語ると言うのだろうか? 領土問題を棚上げして経済交流だけを先んじる事には反対である。ご高齢になられた日本人島民の方々の為のビザ無し・制限無し交流だけ先行させつつ、領土問題では〈歴史の正義〉を語り続けて欲しい。どんなに時が掛かろうと〈歴史の正義〉に於いて譲歩してはいけない。それ無くして「平和条約締結」も有り得ない。

話を戻すが、「ポツダム宣言」の第5条には「我々の条件は以下の通り」として種々の降伏条件が記されている。つまり、〈「ポツダム宣言」の受諾とは、そこに盛り込まれた条件を日本が受け取った、という意味〉である。これは『有条件降伏』であるという意味であって、『決して無条件降伏などではない』。これを日本政府・文科省・マスメディアは国民に教えていない。寧ろ〈隠蔽している〉と言っていい。

だから、大東亜戦争での敗戦では「日本は無条件降伏した」と誤解している日本国民が実に多い。それは「ポツダム宣言」の第13条に書かれている内容を誤って解釈しているからである。誤解させようとしている悪質な反日左翼・劣化日本人・在日韓国朝鮮人・支那人・米国人も多勢いる。在日や反日帰化人が教育現場に大勢入り込んでいる事も、歪曲・恣意的誤解の大きな要因である。

〈ここでいう「無条件降伏」とは「日本国軍隊の無条件降伏」であり、それを日本国政府が宣言する事を要求しているのである。『日本国政府の無条件降伏を要求しているのではない』〉。〈日本軍に無条件降伏させる事を日本政府に要求している〉のである。』

つまり、〈支那大陸・東南アジアなどで、中華民国軍、英軍、米軍を相手に、それぞれの指揮官の下で戦っている日本の軍隊は、各々が相手側と直接交渉して、条件を決めて武装解除を受けたり、復員したりするのではなく、黙って一斉に武装解除を受けろ〉という事である。

従って、『軍隊は無条件で降伏する、併し、国家としては〈有条件〉で終戦した』というのが国際法上の正しい解釈である。

更に「ポツダム宣言」の第9条には『日本軍は武装を解除された後、各自の家庭に復帰し、平和的な生活を営む機会を与えられる』と、日本軍が完全に武装解除する事を条件として掲げている。従って、少なくとも60万人以上の日本兵をシベリアに強制連行し、その一割以上も過酷な強制労働で死に至らしめたソ連の行為は、〈明確なポツダム宣言違反〉なのである。〈歴史の正義〉を語れとは、こういう事を軽々に忘れ去ってはいけないという事でもある。

欠点のない政治家など存在しないという前提に立てば、安倍首相は比較的有能な首相であるとは思う。併し、如何に政治は妥協の産物だとは言え、安倍首相は〈先人の名誉・誇りや無念な思いを軽視し過ぎる〉嫌いが多いのが残念である。

現在、国際法学者の間では、戦争をして勝っている方と負けている方とが降伏についての取り決めをする場合に、お互いに何らかの約束をしあった場合には、『決して無条件降伏なるものはあり得ない』というのが通説である。

「ポツダム宣言」を読めばわかるが、個々の戦争犯罪人に対して裁判を行なうとか処刑を示唆するものはどこにも発見できない。

「日本は『ポツダム宣言』を受諾したのであり、そこに書かれた条件は連合国側も束縛するものとなっている筈だ」と後の東京裁判で清瀬弁護人が主張している。ソ連のシベリアへの拉致・強制連行(抑留という言葉はまやかしである)という蛮行は紛れもなく「ポツダム宣言」第9条に違反している。

何れにしても、戦勝国が例えどのような宣言を発しようとも、敗戦国側が受諾しない限り法的拘束力は生まれない。カイロ宣言も同様である。そもそもカイロ宣言にはどの国の元首も署名していない。そんな宣言が国際法上有効な訳が無い。「ポツダム宣言」も日本側に受諾され、調印されて初めて法的拘束力が生じる。勿論、敗戦の意思表示の有効性はその限りではない。ソ連(現ロシア)はこの部分を恣意的に悪用している。プーチン大統領も無法を正当化しているのだ。

そして〈この有条件降伏を無条件降伏にすり替えた〉のが悪質な米国GHQである。勿論、歴代の米国政府もこの悪質さを引き継いで変えようとしない。第6条には「軍国主義、世界征服をしようとした者は永久に除去する」とある。「日本国民を騙して『世界征服』をしようとした権力、勢力(軍部)は永久に除去されるべし」という意味である。これなど歴史を丹念に辿れば行き着く筈のない、誠に荒唐無稽な虚偽・捏造の類いである。

「世界征服」などという考え方は日本の政府にも、軍部にも、国民にも、無かった。これがあったとされる所以は、田中儀一内閣の時の「田中上奏文」である。それを見て、狂人 F・ルーズベルトは日本を滅ぼさなければならないと決心したと言われている。

第7条には「日本の戦争遂行能力が無くなるまで〈日本の諸地点を占領〉する」とある。これは、日本の戦争をする力を排除する為に、国内領域の幾つかの地点を占領するという事である。併し、〈実際は日本全土が占領された〉。これも明らかな条約違反である。

第8条には「カイロ宣言は履行される」とある。その中で「宣言」は日本の侵略を止める為に行なうものであって、自分たちの利益の為に何かを要求する事はない。領土拡張については一切考えないと明示していながら、1914年(大正3年)年の第一次世界大戦開始以後に、日本が占領した一切の島は取り上げると書いてあるのだ。誠に戦勝国側には都合の良い身勝手な言い分である。

ここに出てくる〈カイロ宣言〉とは、1943年(昭和18年)11月、F・ルーズベルト、チャーチル、蒋介石が、エジプトのカイロに於いて会談したとされるものである。〈カイロ宣言〉なるものは日本に対して無条件降伏を要求し、降伏後の日本の占領政策と領土を決定したものとされている。併し、『この〈カイロ宣言〉には、前述した通り三首脳の署名などは一切無く、また、中華民国も英国も認めていない。』

日本政府・文科省・マスメディアは日本国民に甚だ不誠実である。日本にとって極めて重要な「ポツダム宣言」に度々出てくる〈カイロ宣言〉とは何か、国民に正しく教育し、報道しなければならない。戦後を終わらせる為には、国民が歴史を正確に知る必要がある。今からでも遅くはない。嘘は必ず暴かれる。敗戦後の日本の在り方を決定づけた「ポツダム宣言」を国民の前に詳らかにし、真実を周知徹底させるべきである。