《日本国民は真実を知る事に怠惰であってはいけない。マスメディアは偏向しきっていて真実の探求を放棄している。疑問に思ったら自分で調べる習慣をつけよう》


米国の一般国民は政治関連の生活情報をテレビのみに頼っている比率が70%を超えているという。それでは実質的に情報難民状態だろう。その点は、比率は知らぬが日本国民も同じ様なものだろうと思う。


併し、外国にモノ言わぬ日本人とは異なり、多くの米国人はその程度の情報を元に、世界に善悪二元論を押し付ける自国政府を見て、あっけらかんとしている。大東亜戦争で日本は「悪」、慰安婦問題でも日本が「悪」、捕鯨問題でも日本が「悪」それ以上 考えようとしない。国民に限らず米国メディアもレベルが低い。日本に対する事実誤認と悪意に満ちた記事を読めば一目瞭然である。


まぁ、米国のメディアは自らの立場を明確にした上で、一般受けする情報を売っているのに対し、日本は「不党不偏」を謳いながら、偏向した通信社の情報を元にたいして独自取材もしないで極端な偏向報道をしているのだから、同じ低レベルでも、日本の方が遥かに悪質である。


ところで、米国人はウクライナ問題をどれだけ理解しているだろうか。恐らくプーチン氏が「悪」でオバマ元大統領、EU諸国、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領が「善」それ以上は考えないし、メディアも視点を変えて分析しようなどとは考えない。実はポロシェンコ氏に大統領としての正統性は無く然も実は親ロシア派である事など殆んどの米国人も日本人も知りはしないだろう。実際の国際情勢は情報も限られていて非常に複雑で理解し難いものである。


ウクライナ危機の直接的なキッカケは、201312月にEUがウクライナを含む旧ソ連系の6箇国に対して、EU加盟を視野に入れた「東方パートナーシップ首脳会合」を呼びかけた事である。東西ドイツを合併した時、米国とEU側は「これ以上親ロシア系の国々を西側に取り込まない」と国家間で約束をしていた。その国と国との約束事を米国とEU側は反故にしてEU拡大を匂わせたのだ。


ウクライナは1991年にソ連邦崩壊と共に独立した。併し、今のウクライナは、テロリストと変わりない極右勢力が煽動した暴力的クーデターにより樹立された国である事を忘れてはならない。私腹を肥やしたヤヌコビッチ元大統領は確かに悪党と呼ばれても仕方がないが、クーデターは所詮クーデターでしかなく、暴力により樹立された政権に民主的な正統性はない。


ウクライナ危機は実際は、オバマ氏の米国がプーチン大統領を引きずり降ろす為に引き起こした意図された紛争である。その米国を動かしているのは、ウォールストリートやロンドンのシティ、ドイツなどにも巣食う極一部の金融資本家であり石油メジャーである。狙いはロシア経済市場のグローバル化(米国化)であり、ロシアの資源を喰いものにする事である。


嘗て、プーチン大統領はロシアの石油新興財閥のユコス社がエクソンモービル社に株式の40%を売り渡そうとした時に、ユコス社のホドルコフスキー社長を逮捕し、ユコス社を国有化する事で、ロシアの石油資源が石油メジャーの喰い物にされる事態にストップをかけた。これに怒った米国がプーチン氏の追い落としを決めたのである。


米国の支配層がその野望を成し遂げる為にどうしても邪魔な存在がプーチン氏である。米国が主導するEUとロシアの間のウィークポイント、ウクライナは米国とロシアの代理戦争の地と化した。当時のヤヌコビッチ大統領に不満を持つ反政府勢力を支援する為に米国はウクライナにヌーランド国務次官補を送り込み、彼女は公然と反政府勢力を支援して回った。実際50万ドル程の現金を配ったりもした。露骨と言えば露骨すぎる介入である。米国の後ろ盾を得た多くのテロリストやネオナチを含む反政府勢力は、民主的な選挙によって選ばれたヤヌコビッチ大統領を暴力で失脚させた。こうしてポロシェンコ氏がクーデターにより新大統領の座に就いた。


プーチン氏は巷間言われているような独裁者などではなく、寧ろ民主主義肯定派である。ロシア国内でも典型的な独裁者などではなく、複数の支持勢力の上で微妙にバランスをとる事で支持基盤を維持している。だから領土問題などで日本に簡単に譲歩などできない。決してプーチン氏の支持基盤は盤石ではなく、下手をすれば簡単に揺らいでしまう。簡単に外国に譲歩できない立場に居るという意味でプーチン氏はポピュリストにならざるを得ない大統領なのだ。


一方でプーチン氏に批判的なジャーナリストや外国の外交官がプーチン氏かプーチン氏の配下の者の指示で暗殺されるという事件も実際に起こっている事も事実である。真実は闇の中だがプーチン氏側の遣り方も危うい。況してや、好感度アップのつもりか虎刈りを演出したり、殊更マッチョ振りの映像を公開したりと、我々から見ればまるで北朝鮮を思わせるプーチン氏個人を崇拝させるかのような大統領個人の宣伝戦略はいただけない。


併し、ソ連が崩壊してロシアが民主化してから僅か26年しか経っていない事を考慮すれば民主主義が熟成するのにはまだまだ時間がかかっても当然なのかもしれない。建国してから四半世紀以上も経過しても民主化できない中共や北朝鮮、そしてまだまだ未成熟な韓国などを見ると、ロシアに民主主義の成熟さを問うのは酷なのかも知れない。それでもプーチン大統領がロシアの民主化を推し進めている事は確かである。


プーチン大統領は、米国が押し付ける米国式民主主義ではなく、北方スラブ系の文化を壊さない民主化を模索している。ロシア民主化を否定せず、ロシア的な民主化を成し遂げたい。これのどこがいけないのか。中共には弱腰でロシアには異常な敵対心を示したオバマ元大統領の政治姿勢はおかしかった。トランプ新大統領が大統領就任前に見せたロシアに融和的な姿勢を示す真意は分からないが、少なくともロシアより中共を敵対視する姿勢は正しいと思える。とはいえトランプ氏の政治的未経験と閣僚人事や記者会見での振る舞いを見ると、近来稀に見る危うい米国大統領だと言わざるを得ない。


民主主義といえば日本も大正時代には独自の日本型民主主義を実現していた。併し、明治時代に欧米列強に伍し、国際社会との「仕組まれた軋轢」の中で、「理不尽な白人宗主国国家群に追い詰められ」て、昭和の時代に不幸にも軍国主義化を余儀なくされた。日本は米国に占領されて、初めて「米国に民主主義を与えられた」と教えられた世代には未だに正しい日本の近現代史が教えられていない。この政府の怠慢により日本国民が偏向思想に染められて居る事で大きな悪弊が顕れている。


例えば、GHQは日本弱体化プログラムで日本人を洗脳した。そのプログラムの中に「3S」というのがある。「3S」とは則ち(Screen…映画 Sport…スポーツ Sex…性)である。米国が齎(もたら)した性の自由化により、日本人の性道徳は乱れに乱れた。ネットに接続すれば「日帰り無痛堕胎」の広告が幾らでも容易に見つかる。日本的民主化であれば、あり得ない現象であろう。はっきり言って戦後日本は米国の洗脳により荒らされ荒(すさ)んでしまった。


ウクライナに話を戻す。もう記憶が薄らいだ人も多いだろうが、マレーシアの旅客機撃墜事件が当時世界を震撼させたが、ブラックボックスが回収されたにも関わらず続報がないまま現在に至っている。事件は迷宮入りした。米国は「親ロシア派」が撃墜したと報じたが、プーチン氏は即座にウクライナ軍が撃墜した証拠の衛星写真を公開した。米国はブラックボックスの分析結果も衛星写真も公表せず、そこで撃墜報道は途絶えたままである。日本のマスメディアは例によって疑問さえ程さずメディアの仕事をしていない。


クリミア半島編入の騒ぎも、理は歴史的にもロシアにある。民主的正統性無き政府からの独立を、元々はロシアであった地を、実際にはロシア人たちによる住民投票という手順を踏んで併合した。ロシア化反対派のデモでは米国に支援された極右、ネオナチとも言えるテロリストたちが、ロシア系住民の虐殺を始めた。プーチン氏はロシア系住民の命を救う事を躊躇わなかった。米国系メディアはそういった事実を絶対に報道しないし、米国寄りの国際社会も真実を報じない。そして日本のマスメディアはこの件を真剣に考えもしない。


EUは「東方パートナーシップ首脳会合」の美名でウクライナのEU加盟を匂わせておきながら、ウクライナ人がEU加盟を熱望している今、EU側はウクライナのEU加盟を受け入れようとしない。EU側には初めからウクライナを受け入れる気は無く早々にウクライナを拒絶したのである。全て米国とEU側が仕組んだプーチン氏への罠であったのだ。ウクライナ問題は、プーチン氏が「悪」でオバマ元大統領が「善」などという善悪二元論で語れるほど単純な図式ではない。


プーチン氏はウクライナ問題の終息を図っている。東部2州の自治権確認後にプーチン氏は停戦合意をしている。ところがどういう訳か、オバマ氏の米国側が停戦合意後にロシア制裁を強化した為、至る所で未だ銃撃、爆撃が続いている。トランプ新大統領にこの問題を収束させる意思と指導力があるかどうかは現時点では未知数である。


米国が自らつくりだした「所謂イスラム国問題」が無ければ、米国はどんな手を打っていただろうか。ここで言う米国とは、単純に国家としての米国ではない。先に述べた極一部の金融資本家たちや石油メジャーの手先としての米政権だ。単純にプーチン氏が「悪」でオバマ氏、EU、ポロシェンコ氏が「善」などでは決してない。


日米ともにマスメディアは低レベルである。そして普通の国民は、真実を探究する努力を怠っている。現代は個人でも調べようと行動すれば、ほぼ何でも調べる事ができる。国民はマスメディアだけを信用してはいけない。疑問に思ったら、何でも自分で調べてみる事だ。但し、インターネットは玉石混交である。飽くまでも自己責任である事を忘れてはいけない。ガセネタに文句を言うのはお門違いと言うものだ。