《日本解体の為の War Guilt Information Program


敗戦後の日本を実戦の約2倍の長きに亘り統治したGHQSCAP(連合国軍最高司令官総司令部)の政策に3Sというのがある。「Screen…映画 Sport…スポーツ Sex…性」である。これを日本人の最大の娯楽とする日本愚民化政策で、特に性の自由化が齎した日本人の性道徳観念の乱れについては既に投稿した。今回はWar Guilt Information Program(略称WGIP)について触れたい。


私の反米的な投稿に反発する意見の中に「今の北朝鮮の様な日本に原爆を投下して戦争を早期に終結してくれ、飢えた国民に食べ物まで与えてくれた米国に、今でも感謝している」という一文があった。その方は「今の北朝鮮の様な国に計画的に日本を追い詰めた」のが米国である史実を知らない。食べ物を恵んでくれたGHQの統治目的を知らない。都市部絨毯爆撃の酷たらしさも原爆の悲惨さも眼中にない。失礼ながら愚か者である。


GHQSCAPが日本占領と国民の思想改造の為に導入した政策目的は、戦争についての罪悪感を日本人の心に徹底的に植えつけ、2度と再起できないようにする事であった。GHQは基本戦略として「3R」「5D」「3S」という3本の柱を建てた。


3R」とは(Revenge=復讐、Reform=改革、Revive=復活)である。この3R作戦では旧大日本帝国再建が絶対不可能なように徹底した監視、検閲を行い、GHQに敵対心を持つ者を厳しく取り締まった。映画・芝居でも忠臣蔵のような仇打ちものは上演を厳禁された。そうして暗に日本の復活を封じた。そして米国への復讐心の芽を徹底的に摘んだ。


5D」とは(Disarmament=武装解除、Demilitalization=軍国主義排除、Disindustrialization=工業生産力破壊、Decentralization=中心勢力解体、Democratization=米国的民主化)で、旧華族や各種結社の解体、財閥の解体、地主制度の廃止などが行なわれ、軍艦や飛行機、戦車、銃火器などを造っていた工場は全て潰された。つい最近まで大型飛行機の製造も禁止されていた。師範学校は解体され、各界の有能な人材は悉(ことごと)く排除された。悪名高き「公職追放令」である。その間隙は無能な反日左翼の偽善者が埋めて、日本の復活は限りなく遠退いた。それは今も続いている。


また、この政策では(暗に悪いと洗脳しておきながら)日本国民は悪くないとし、旧日本軍だけが極悪非道で、支那の人民を大虐殺し、白人捕虜にも酷い虐待をした。更に、アジアの国々を侵略して現地住民にも酷い事をしたと、嘘ばかり教え込んだ。所謂「自虐史観」や戦争アレルギーを徹底的に刷り込んだのだ。これには戦前戦中に日本国民を散々戦争へと煽り続けたNHK、朝日新聞などが率先して協力した。マスメディアは日本国民を裏切ったのである。


サンフランシスコ講和條約締結に棄権したのは、ソ連とその衛星国ポーランドなどの数箇国であった。そして韓国は日本の国際社会への復帰に大反対した。アジアで調印を渋ったのは米国の植民地、フィリピンだけで、そのフィリピンも吉田茂の謝罪演説に納得した。日本軍が極悪非道を働いた筈のアジア諸国は全て無条件で、日本の独立を歓迎し、黙々と署名してくれた。こういう史実を日本の文科省は日本の明日を担う青少年に教えようとしない。


白人宗主国国家群、特に米国にとっては日本は「軍事力」で自主独立を勝ち取り、有色人種でありながら、白人国家に植民地を手放せと言うに等しい「人種差別撤廃」と「大東亜共栄圏構想」を提唱し、白人の軍事強国ロシアを打ち負かした、正に東洋の得体の知れない獰猛な怪物であった。その怪物の牙を抜き、羊のように従順で温順(おとな)しい家畜に変える為には、日本国民の精神を打ち砕き、再起不能な国にしてしまう事が肝要であった。


併し、取り締まり、弾圧するだけでは国民の不平不満が溜まり、テロや暴動を引き起こしかねない。国民の鬱積した不満のガス抜きの為に「3S」を推奨したのだ。プロパガンダ映画やスポーツに興じさせ、日本人自らが厳しく律していた性を解放し耽溺させる。『日本愚民化政策』である。古代日本は性におおらかであったのは事実だが、近代日本は、女性は貞淑、男は自制を旨とした。そうした日本的規律を破る事を良しとする風潮を蔓延させたのである。


米国は「戦中も戦後も」物量で日本を表面的にも内面的にも破壊し尽くした。軍需物資の放出には飢えた日本国民は目の色を変えたが、多くは第三国人が利権を得て暴利を貪った。

『有能な日本人を追放し、愚民化政策を徹底し、日本に悪意を持つ第三国人を蔓延らせる』。ここに日本の戦後体制が完成した。占領統治がこれほど上手く機能した例は、過去にも未来にも、二度とないだろう。GHQ/SCAPは、卑劣にも天皇陛下の「敗戦の詔勅」に素直に従い自制する日本人の弱みに付け入ったのである。


敗者、日本人は史上前例がないほど勝者に屈服(マッカーサー証言)してみせ、惨い戦略を用いた勝者もまた、過去に前例がないほど惨殺した敗者に感謝された。誠に奇異な顛末である。現代の日本人は未だに米国人を第一の友好国と信じ、過去の援助に感謝しない者には、日本に対する中共、韓国と同じ「恩知らず」だという非難が浴びせられる。


日本家屋向けに特別に開発された焼夷弾を駆使して、全国200箇所にも及ぶ都市部に絨毯爆撃(無辜の民への無差別大量殺戮)を断行したカーティス・ルメイ将軍には、戦後、航空自衛隊の創設に協力してくれたとして、勲一等旭日大綬章を叙勲している。当時の日本政府はとんでもない事をやってくれたものである。時の政権は自民党の佐藤栄作総理大臣(安倍晋三現首相の叔父)、小泉純也防衛庁長官(小泉純一郎元首相の父親)である。だから小泉政権も安倍政権も歴史観が狂っているのだろう。


そんな歴史観をも狂わされた日本に散々カネをタカリ、技術移転を受けて発展してきた中共と韓国は、恩を感じるどころか敵愾心を剥き出しにして日本を告発し、責め、貶めている。日本は「中共、韓国とは戦っていないし、虐殺もしていない」。彼等の告発は皆 捏造で、日本に感謝しないのはどう考えてもおかしい。間違いなく「恩知らず」である。それに対して日本は、避けたかった戦争に無理矢理追い込まれた挙句、200回に及ぶ都市部絨毯爆撃と、必要のない(アイゼンハワー当時将軍の証言)原子爆弾を2回も「実験投下」されている。そして「悪意」と「食べ物」に満ちた長きに亘る占領統治(洗脳統治)を受けた。


斯く言う私も、ソ連に占領されるより、或いは分割統治されるより、米国に占領されたのは、不幸の度合いが少なくて済んだと思う。飢えた日本国民にとって米軍に与えられた食べ物に対して感謝の心が芽生えたのは当然の成り行きであろう。併し、その代償は余りにも大きかった事が今では分かっている。


多くの日本人は代償として「魂」を抜かれたのだ。そして今、完全に失いつつある日本人としての「魂」を取り戻そうとすると、米国政府はもとより中共・韓国から、そして洗脳され偽善者に成り下がった日本国民からも批判の声が上がる。在日韓国朝鮮人ばかりではなかろう。純然たる日本人の中にも「反日」は多く存在する。彼ら日本人は皆、偽善者である。


戦後世代である私も、米国の良き部分は大好きである。思春期には憧れの国でもあった。併し、悪しき部分を知る以上それに目を瞑る訳にはいかない。敢えて言う。『なぜ日本は米国に感謝しなければならないのか?』日本人はどこまで愚かなのだ。正しい近現代史を知れば日本は米国に感謝などするべきではない事が理解できる筈だ。


米国は良き部分も悪しき部分も兼ね備えている。現在のように我が国が自国の安全保障を日米安全保障条約だけに頼る事は甚だ危うい間違いである。これからの国際社会で日本の安全保障を託せるのは日本だけである。この基本を押さえた上で、米国を始め、インドや特亜以外のアジア諸国と平和友好条約を結び、必要に応じて軍事同盟も考える。日本が生きていく未来はこの道しかない。