《米国の凋落は、歴史を見直し、現在の日本を正当に評価する勇気で止められる。米国の権威は強力な同盟国によって支えられる。この認識を日本政府は新大統領の下の米国政府に根気よく伝えていくべきだ》


日本は米国と本格的な衝突にならない形で、誤った「歴史を修正」する方向で米国に働きかける必要がある。第二次世界大戦のうち主にアジアで戦われた戦争を、大日本帝国議会は「大東亜戦争」と正式に命名した。併し、日本が掲げた「大東亜共栄圏」の理想を覆い隠す為、連合国軍最高司令官総司令部(GHQSCAP)は「大東亜戦争」を「太平洋戦争」と呼び変えさせた。まるでアジアで日本が戦った大義を覆い隠すように、占領下の日本では「大東亜戦争」という呼び名は禁じられた。


日本を侵略国家と決めつけたい米国は、中韓両国の極端な反日的歴史捏造行為に目を瞑り、決して日本を擁護しようとはしない。それは米国自身の大罪への日本人の非難に繋がる危険性を米国が感じているからだ。その理由にも増して現在では、厖大な貿易相手国であり世界一の米国債保有国、中共と事を起こしたくないが為に、日本国の自己主張が米中関係に及ぼす悪影響に頭を抱えている。それはトランプ政権になっても変わらない。トランプ大統領の外交問題の指南役がキッシンジャー氏である事からも明確に分かる。93歳のキッシンジャー氏の頭の中は未だに「瓶の蓋論」が根強く残っている。


キッシンジャー氏はニクソン政権とフォード政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めた外交のプロだが、田中角栄(当時)首相が「日中国交正常化」をした時に口汚く日本を罵った。公開された当時の公文書には日本を「裏切り者のジャップ」と罵った記録が残っている。キッシンジャー氏は当時から米国にとってロシアより中共の方が強大な敵になる事を読み切っており、その中共に接近した日本を毛嫌いした。キッシンジャー氏は日本に対する差別的偏見が強く、決して日本の味方にはなってくれはしないが、彼の読みは正しかった。日本は当時から潜在的に強い反日国家にして覇権主義国家である中共に多大な経済・技術援助などするべきではなかった。


米国は日本にはいつまでも臆病で米国に口答えひとつしない気前のいいATM国家でいて欲しい。だから、安倍政権の誕生で日本は単なる米国の属国から脱皮する気配を見せた途端に安倍政権に圧力をかけ、戦勝国だけに有利な「戦後世界秩序」に楯突かない事を安倍政権に強いた。米国の圧力を感じた途端に安倍首相は政権のスローガンである「戦後レジームからの脱却」も「日本を取り戻す」も、いとも簡単にかなぐり捨てて「戦後世界秩序の優等生」に変節した。


トランプ政権は米国に楯突かない限り、そして他国攻撃能力を持たない限りに於いて、日本の防衛力増強を求めてくる。それは米国の安全保障上の必要性から中共を牽制する為である。併し、日本の核武装は絶対に認めない。トランプ政権の人事がまだ決まり切らない時点で早々にジェームス・マチス国防長官が韓国と日本を訪問し、「核の傘」を強調した事からも容易に想像がつく。表向きは北朝鮮の核の脅威に対しての素早い対応だが、本質的には中共に対する牽制である。中共に対して「核の傘」など当てにならない事は分かりきった事である。マチス国防長官による数々の日本の安全を保障する言葉に安堵する日本は勘違いをしている。裏を返せば「日本の自主防衛は絶対に必要ない、認めない」と言いに来ただけなのである。


それを理解した上で、日本は米国の凋落の時期を少しでも先に伸ばす事が国益上必要である。日本は米国から自立する必要があるが、それでも中共に覇権を握られるより米国にはナンバーワンで居て貰った方が日本には都合が良い。時代錯誤の超覇権国家中共を押さえ込めるのは矢張り米国を置いて他にないからだ。日本は米国からの自立が必要であると同時に、可能な限り米国の軍事同盟国としてこのアジア地域に於いては米国を補佐する宿命にある。その為にも米国による日本に対する必要以上の警戒感を解く努力を怠ってはならない。70年以上昔の恨みなど日本は持っていない事を折に触れ米国に実感させる必要がある。


日本は次から次へと繰り出される韓国の嘘に耐え切れなくなり、中共の覇権にもNoを表明した。日米同盟で日本を眠らせていた米国にとって、日米同盟を盾に日本が中共と事を構えるのは何としても避けたい事態だろう。マチス国防長官の来日にはそういう意味も含まれている。


今、日本が対峙する難題解決の大部分は「米国による日本に対する正当な評価」そして「米国が自らを律する覚悟」にかかっている。中韓が日本を責めたてる「歴史認識問題」に米国は悉く関わっている。異論はあって当然だが、日本は米国を今さら責めるつもりはない(と私は思う)。「東京裁判史観の否定」は日本にとって避けて通れない道だが、その主たる眼目は日本国の名誉回復であり米国敵視ではない。米国が不必要に恐れる日本による「東京裁判史観の否定」こそが日本を再生させ、中韓両国の増長を撥ねつける論拠になる。


米国の凋落が本気で囁かれる今こそ米国は敵味方を明確に識別する必要がある。米国にとってアジアに於ける最重要国家、盟友は何処か? 答えは「再生した日本」である。中共は米国にとって最重要貿易相手国にして最大の敵国であろう。米国は日本を「真の意味での同盟国」と再定義すべきだ。その為には日本を再評価し、軽視するのを避ける事だ。歴史観での中韓偏重は米国を危うくする。これを理解せずして、アジアに於ける米国のプレゼンス維持の道は無い。日本国の正当性を認める事こそ米国の凋落を防ぎ、アジアを安定させる。


特亜の日本非難に対抗する答えは、悉く米国が握っている。いや、関わっている。日本が「侵略戦争」など仕掛けていない事は米国が一番良く知っている筈だし、「南京大虐殺」は中国国民党と米国の共謀による捏造であるし、それを誇大に政治利用しているのは中華人民共和国である。「慰安婦が売春婦」である事も米国は戦勝直後に調査検証済みの筈。その証拠も10年ほど前に徹底的に調査して真実は公文書に残っている筈だ。真実を知りながら傍観するのは、日本が再び軍事的強国になって米国に復讐する事を恐れて、日本をいつまでも属国のままにしておきたいからだろう。


併し、思い出して欲しい。先の大戦に至る前、日本が米国に何をしたというのか。米国に軍事的挑戦をした事など一度もなかっただろう。それどころか、連合国が蒋介石に入れ込んだ結果、日本が敗れ、中国国民党は共産中国に大陸から追い出され、大陸に巨大な共産党政権を生み出してしまった。当時のホワイトハウスがコミンテルンに支配されていた為だ。その結果、米国は敵を間違えただけでなく味方(ソ連)をも見誤ったではないか。ソ連、中共の強大化は全て米国政府の政治判断ミスの産物だ。


スターリンは米国の味方ではなかったから、戦勝国にしてはいけなかった。毛沢東と戦う蒋介石に毛沢東との共闘など勧めるべきではなかった。米国は蒋介石をも裏切り、中共を大国化させてしまった。F・ルーズベルト政権の失政がトルーマンの狂気(原爆投下・都市部無差別大焼殺)に繋がり、ソ連と中共という強大な敵を作り出した愚行を、今再び繰り返そうとしている事に米国は気付いていない。今、米国が必要としているのは、日本という信義を重んじ、決して裏切らない強固で強力な軍事同盟国である。日本が真の独立を果たす事が、米国の国益に反する訳がない。


日本を押さえ付ける事で、米国が守ろうとする「戦後世界秩序」が守れると本気で思っているのだろうか。今、中共が要求している「新型大国関係」こそが、米国が後生大事に守ろうとしている「戦後世界秩序」への挑戦ではないか。日本への過度な警戒が自国の国益をどれほど損なっているかを考えられない米国ではない筈だ。


韓国は機を見て容易に変節する。それが彼等の唯一の生き残り方だから。韓国の中共への擦り寄りは、韓国から見た今のアジアに於ける米国のプレゼンスを如実に表している。中共と米国の現実の実力差はともかく、アジアの小国は将来の米国には全幅の信頼をおかず、しっかりと中共に保険をかけている。日本が、現在の米国の意に反して軍事的にも強国となり、日米同盟を基軸にして中共に睨みを効かせるなら、彼等のどっちつかずの態度は必ず変わる。


米国が日本を信じ、より強力な抑止力を持つ国に変貌(再生)する事に警戒感を解いて、共に強固に結び付いた事を、アジア全域に示す事ができれば、アジアに於ける米国のプレゼンスは盤石なものとなる。韓国の過度な中共への傾斜にも歯止めがかかり、米国が韓国に与えた軍事機密が、丸々中共へ流出する事も止められる。


今の日本なら、ロシアと中共の反米タッグ成立も止められる。プーチン大統領は習近平国家主席の下請け(経済的子分)になる気は更々ないが、オバマ元大統領がとったプーチン敵視政策は、ロシアを中共側へと追い込む。長い月日を要するだろうが、「歴史の正義」を解決し、本来の北方領土を再び交渉の俎上にあげて「日露平和条約」締結に向けて交渉が加速すれば、日本から技術と資金が得られ、ロシアの過度な中共への接近は喰い止められる。これができるのは日本だけである。米国は強大な仮想敵国、中共・ロシアを組ませたくはあるまい。


日本は日本の国益を第一に考える。それを明らかにした上で、米国に同盟国としての信義を誓い、米国の為に進言する。ウォール・ストリートを跋扈するグローバリストにではない。保護貿易主義に邁進するトランプ大統領にでもない。真の米国支配層に進言する。今、日本を信じて「独立自尊」、「自主防衛」を許す事こそ、アジアに於ける米国のプレゼンス後退を喰い止める唯一にして最後のチャンスである。中共の傲慢を許さず、日米ともに繁栄を謳歌する道、世界平和への道は、この道の他にない。


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