白人諸国の動物愛護の欺瞞と人種偏見。オーストラリアや米国が日本の調査捕鯨反対に熱心な訳。それは旧連合国(=国連常任理事国)の日本警戒論でもある


ペリーが浦賀に来航したのは1791年(寛政3年)だが、その目的は「捕鯨の中継基地」を日本に求める事であった。今の日本人にはちょっと想像つきにくい事だが、当時の米国は、欧州諸国からは品格の低い国、碌でもない国家として扱われていた。アメリカ・インディアンは大虐殺するわ、奴隷貿易で俄か成金は増えるわ、とにかく粗暴な田舎者扱いであったという。


その米国が、極東のミステリアスな国、日本を開国させたニュースは世界中の白人社会を駆け巡り、碌でなし国家、米国の株を大いに上げたという。ペリー 一行が驚いたのは、他の有色人種とは余りにもかけ離れた日本人の国民性であったという。不思議な髪型や装束もさる事ながら、接した日本人は皆、礼儀正しく、街も身なりも例外なく清潔で、然も流暢に英語を話す「通詞」がいる。ペリーたちが今まで見てきた有色人種国家とは全く違っていた。


白人たちが見下していた有色人種たちとは異なる日本人の特性は、当時の白人社会には驚きと共に、大いに好意的に話題になった。白人は有色人種たちに恐れられるのが普通であったが、日本人たちは白人を恐れる風もなく、白人たちが持つ様々な先進的な機械装置や大型船の操舵方法に旺盛な好奇心を寄せた。「通詞」を介しての矢継ぎ早の質問に困惑した船乗りたちの日記などが残されている。


概ね好意的に受け止められていた日本人であったが、日本が積極的に欧米の文明を取り入れ、瞬く間に文明開化を成し遂げ、日露戦争に勝利したあたりから、白人の見る目が変わってきた。劣っている筈の有色人種国家が白人の強豪国家であるロシア帝国を戦争で打ち負かしたのは、白人たちにとっては予想外の驚きであった。ペリーがパンドラの箱を開けたと言われる所以である。


その辺の話も大いにしたいのだが、今日のテーマから外れるので、またの機会にする。そう、今回のテーマは白人諸国を中心とした「反捕鯨問題」である。ヒステリックに捕鯨反対を唱える白人たちは、歴史的にはつい昨日まで世界中の鯨を獲りまくっていた。目的はただひとつマッコウクジラの「鯨油」である。反発力の強い鯨の歯もゼンマイ仕掛けの動力などに利用されていたが、白人たちは「鯨油」を採取すると、基本的には残り全てを海に投棄していた。


日本人は捕獲した生き物は命あるものだから、自分が生きる為に奪った命を無駄にしない為にも出来るだけ全てを有り難くいただくという考え方をする。白人たちの捕鯨は、日本のように「尾の身」まで「有り難く頂くという食文化」とは無縁の単なる「鯨油ハンティング」であった。一方、日本の捕鯨には「親子鯨は獲らない」などの厳格なルールがあった。白人たちにはそういう道徳心とか資源保護の観点は皆無であった。アメリカ大陸でバッファローを獲り尽くしてしまった例を見るまでもない。


20143月、オランダ・ハーグの国際司法裁判所に於いて、国際捕鯨委員会で認められていた筈の日本の「調査捕鯨」が全面中止に追い込まれてしまった。多数決に圧力を受けた国際司法裁判所が「南氷洋で日本が行なっている調査捕鯨は、科学的な調査とは認められない」と下したこの日本にとっては甚だ非合理的な判断は、日本の政府関係者に衝撃を与え、非常に大きな問題点を提起した。


そもそも、「調査捕鯨」が全面中止されたのはなぜ「南氷洋」だけなのか? なぜ日本の調査捕鯨で何の被害も被らないオーストラリアがそのような事を提訴したのか? なぜ「捕鯨」だけが駄目で「牛」「豚」などは良いのか? なぜスウェーデンやデンマークなどには未だに商業捕鯨が許されているのか? なぜオーストラリアや米国が熱心に日本の調査捕鯨に反対するのか? 理論的な答えは見つからない。当初は単なる感情論であるとしか理解できないでいたが、そうでもなさそうだ。日本だけが集中砲火を受けるのは、どう考えてもおかしい。


日本の長年に亘る「調査捕鯨」の成果は、膨大な科学的資料の収集であり、将来の人類が見舞われるであろう食糧危機の解決の切り札と成り得る貴重なデータの蓄積となるものである。嘗ての白人たちの乱獲によって、鯨自体の生態系が崩れてしまったのは事実である。商業捕鯨のモラトリアム(一時的停止)によって、鯨の数は増加してきたが、それには明らかな種差がありミンククジラなどは逆に増え過ぎている。それなのに、モラトリアムはとうとう全面禁止にまでなってしまった。


ミンククジラが増加する一方で、シロナガスクジラは一向に増加していない。これには、ミンククジラがシロナガスクジラの漁場を奪っているからという説が有力だ。またインド洋に於いてサンマなどの漁獲量が減っている大きな理由の一つに鯨類の増加が考えられている。鯨類が食べる魚の量は、人類が食べる魚の量を遥かに上回っているのだ。これら鯨類の生態が解ってきたのも日本が地道に調査捕鯨を続けてきたから解明された成果である。


自然界の生態系を狂わせたのは人間(主に白人たち)の乱獲である事は間違いない。日本は〈調査捕鯨による、ミンククジラの捕獲は偏った生態系を正常に維持する機能がある〉と考えるが、欧米人は賢い鯨が「かわいそうだから」反対だという。科学的根拠を主張する日本と根拠も何もない感情論では、最初から議論が噛み合う訳がない。併し、よくよく考えてみると〈「感情論」は偽装 〉である可能性が強い。


国際捕鯨委員会では、数年前から捕鯨国家である韓国も捕鯨禁止に立場を変え、日本を激しく攻撃しているが、日本の調査捕鯨は厳格に1050頭の自己規制枠を守ってきたのに対して、日本への対抗心から突然反捕鯨国に転身した韓国は「混獲」と称して平然と2500頭もの鯨を捕獲し続けている(2013年実績)。「混獲」とは他の魚を獲る網に、間違って鯨が掛かって偶然 鯨が獲れてしまう事である。日本の調査捕鯨の2倍以上にもなる2500頭の鯨類が間違って獲れてしまう訳がないし、小型の魚類を捕獲する漁船団には鯨類の解体・保存設備などもない。韓国の主張が子供じみた嘘である事は誰が見ても明らかだが、国際捕鯨委員会では問題にすらなっていない。


卑しき心根の韓国は、調査捕鯨の必要性を主張する日本への攻撃を、毎年楽しみながら平然と日本の2倍以上の商業捕鯨を続けているのだ。白人の捕鯨反対グループが言うように「鯨類が賢いから食してはいけない」というのなら、韓国の商業捕鯨の禁止も訴えるべきであるし、「かわいそう」という理由を振り翳(かざ)すなら、韓国が「独自の食文化」と言ってやめない〈生きたままの犬猫の生皮剥ぎ〉を見過ごして平気でいられるのはおかしい。動物愛護の白人団体は、韓国の悍(おぞ)ましき食文化を大して問題にもしないばかりか、カナダによる年間30万頭以上に及ぶアザラシの惨殺も見て見ぬ振りをしている。


カナダ人の猟の目的は毛皮なので、アザラシの死体の殆んどは氷上に置き去りにされ、その肉は無駄にされる。アザラシの毛皮は毛皮工場へ売られ商品化されるが、生きたまま毛皮を剥がれた死肉は一部が挽肉にされ動物の飼料にされる程度で大部分は氷上に放置される。数千頭のアザラシのヒレはニューファンドランドで人間の消費用に売られている。支那ではアザラシの陰茎は性的機能不全に効くと信じられて高額で売られている。


おとなのアザラシは、素早く、攻撃的で泳ぎも速いので、離れた所からライフルで撃ち殺される。完全に急所に命中しない限り、負傷したアザラシの殆んどは、近くにある穴から氷の下に逃げ込みそこで死に至る。氷の下に逃げたアザラシの殆んどは、網で捕獲され、そのまま溺れさせて殺される。


若いアザラシの多くはその毛皮を弾丸の穴などで傷つける事のないように、こん棒(ハカピック)で殺される。子供のアザラシの多くは、ハカピックで口から尾の根元まで貫かれ、死ぬ前に皮を剥がれる。


本当に鯨を憐れんで調査捕鯨に反対しているのであれば、一方でこんな残虐な行ないができる筈はない。


白人たちは本当にかわいそうだと逆上するが、ヨーロッパの小国の商業捕鯨やエスキモーの捕鯨は「独自の食文化」であるから許されるといい、カナダのアザラシ惨殺には哀れみの目さえ向けない。日本だけが「歴史ある食文化」を否定され、残酷だと非難されるのは非論理的である。韓国は自国の「比類なき食文化」を白人たちの目からひたすら隠して密かに悍(おぞ)ましい欲望を満たしている。正々堂々と論理的に正当性を主張し、科学的に活動する日本人だけが「残酷だ」との理由で許されないのはおかしい。ブロイラーやフォアグラは好物なのに、白人たちよ、「お前ら日本人を差別していないか?」。


因みに「ハッブル宇宙望遠鏡」や「超高高度軍事衛星」には、必ずマッコウクジラの鯨油が使われている。マッコウクジラの鯨油に代わる化学的油は、未だ開発されていない。需要が限られているから研究開発費を投じる事なく捕鯨で済ませているのだ。米国政府はこれをどう説明するのか? 要は「鯨がかわいそう」なのではなく別の理由で日本人が標的にされているのである。


多くの「動物愛護団体」は、自らが特定の動物だけを愛し、それに反する主張には暴力を以って抗議する単なるテロリストだと気づいていない。宗教テロリストと環境テロリストは根本的には同質の犯罪者である。数々のテロ行為を働いているにも関わらず、シーシェパードのポール・ワトソンはなかなか罪に問われず、拘束されても直ぐ釈放され、「何度拘束されようともまた日本を妨害する」と公言している。 シーシェパードの標的も日本だけである。シーシェパードへの資金提供は誰がしているのだろうか? どこかおかしい。


実は日本の調査捕鯨が反対される本当の理由は「動物愛護団体」や「環境保護団体」を名乗るテロリストたちの陰に隠れて表沙汰にされない重大な理由が幾つかある。調査捕鯨反対の裏には、日本人に対する「人種偏見」と、オーストラリアの「海洋権益拡大の野望」、そして「日本を再び軍事大国化させまいとの白人たちの申し合わせ」があるのだ。これには英国・米国・ロシア・中共・韓国などが熱心に多数派工作をしている。


日本の捕鯨船は鯨探索用の音波探知機に軍事転用可能なほど高性能なものを使っている。〈南氷洋の権益を主張するオーストラリア〉は、その前に立ちはだかるインドネシア海軍に知られる事なく潜水艦で南氷洋と自国との間を行き来したい。ところが日本の捕鯨船の音波探知機が赤道付近に居る筈のない大型鯨類と誤認してオーストラリアの潜水艦を探知してしまった事がある。


捕鯨船の探知機で音波を当てられると鯨類は最初は興味を示して音源に近づいてくるが、捕鯨船団と認識すると、踵を返して急いで逃げていく。潜水艦はそのような動きはしない。そのまま進むか、じっと動かずに姿を潜めようとする。日本の高性能音波探知機は、鯨類と潜水艦を瞬時に見分けてしまう。日本が調査捕鯨に使用している機材は、他国が軍事用に使用している潜水艦探知機の性能を上回っているのだ。


日本の調査捕鯨船から領海内に潜む他国の潜水艦情報の提供を受けたインドネシア海軍は当然オーストラリアに抗議した。オーストラリアには日本の調査捕鯨が迷惑なのである。高性能の潜水艦を欲していたオーストラリア海軍が、明らかに優秀な日本の「そうりゅう型潜水艦」を買わずに、敢えて実在さえしていないフランス製の原子力潜水艦を改造するというディーゼル型潜水艦購入を決定した理由は、このあたりの関係があるのかも知れない。


今後もマッコウクジラの鯨油を必要とするアメリカも、日本の軍事力強化を口ほどには望んでいない。調査捕鯨が全面禁止されたのはオバマ政権の時だが、トランプ政権も日本に対中共用に防衛力増強を求めてきてはいても、赤道付近や南氷洋まで幅広い海域で日本の高性能音波探知機を搭載した調査捕鯨船に隈無く調査されるのは好ましく思いはしないだろう。


最近、ロシアの研究機関が公表した世界の軍事力順位では、米露中に次いで日本が世界第4位とされ、日本がその気になって軍事力増強に邁進すれば、遠からず中露を追い抜く可能性があるとした。国連(正しくは連合国)常任理事国は、潜在的な日本の軍事大国化を恐れているのである。


日本の「調査捕鯨」が完全中止にされたのは何故「南氷洋」だけなのか? 他の海域の鯨類は「かわいそう」ではないのか? オーストラリアが自国周辺ではない南氷洋の日本の活動を国際捕鯨委員会に提訴した理由も、日本の潜水艦導入を敬遠した理由も、スウェーデンやデンマークなどとエスキモーだけが未だに一定量の捕鯨が許されている理由も、単に「鯨がかわいそうだ」と言うだけの感情論ではないのだ。


日本が調査捕鯨の全面禁止に追い込まれた理由はそんなに単純な理由からではないのだ。「動物愛護団体」や「環境保護テロリスト」の傲慢、そしてアメリカやオーストラリアの白人たちによる「海洋権益保護」と、旧連合国の常任理事国による「日本の軍事力の無意識の広がりへの警戒」などが重層的に絡み合っての「日本締め出し」なのである。調査捕鯨の全面禁止に垣間見える日本人に対する人種偏見と日本警戒論に日本政府は果たして気づいているのだろうか?